腰痛症坐骨神経痛について

坐骨神経痛についての考え方

 

腰痛の方で坐骨神経痛も併発している方が大変多く見受けられます。

原因は様々ですが、座位の長い方、臀部やハムストリングスを使いすぎた方などが多いです。

腰部が原因なのか、臀部が原因なのかは、実際の痛みの原因を診て判断します。

腰部の痛み判断

動作時痛

前屈・後屈・側屈・回旋 この動作で見るべきポイントは

前屈では腰部の屈曲ができているのか股関節の屈曲ができているのか、できていない場合は腰臀部の反対の腹部・股関節前部はしっかりと縮んでいるかを確認する。

これを後屈・側屈・回旋でも主導筋と拮抗筋の関係を診る

前屈 大臀筋 or ハムストリングス ↔︎  腹部 or 股関節前面

後屈 腹部 or 股関節前面 ↔︎  大臀筋 or ハムストリングス

側屈 股関節外側 or 腹斜筋・腰方形筋 ↔︎ 反対側

回旋 股関節外側 or 腹斜筋・腰方形筋 ↔︎ 反対側

テスト法

次に神経の絞扼があるかどうかをテスト法で確認する。同時に股関節の左右差を確認する。

SLR(ラセーグ)・梨状筋伸展

柔軟性のチェック

テスト法と同じ姿位になるため一緒に行う

股関節屈曲(膝伸展・屈曲) ハム or 四頭筋と腹部 ツッパリ

外転内転 臀筋 or 内転筋 ツッパリ

内外旋 大腿筋膜張筋 or 内転筋 ツッパリ

異常を確認して、原因とその方の状態を把握する

異常とは痛みツッパリ詰まりを確認する

痛み 筋肉が伸ばされて痛い 関節が詰まって(主に屈曲位)痛い

ツッパリ

筋肉起因の痛みの場合

中臀筋と小臀筋が原因の場合

この二つの筋肉は、起始停止や支配神経が一緒ですが小臀筋を中臀筋が覆っています、なので小臀筋の緊張を見逃しやすくなっています。

ですが、小臀筋の方が奥にある分、坐骨神経に与える影響は強く小臀筋の筋緊張を取れるかどうかが痛みや痺れの軽減につながります。

中臀筋

解剖

  • 【起始部】腸骨の殿筋面
  • 【停止部】大転子の外側

中殿筋は、小殿筋と同様に、広く薄い筋組織が層状になっています。骨盤外面のほぼ全部に付着し、大腿骨の上端まで伸びています。

働き

中殿筋の主な働きは、股関節における大腿の回転・回旋です。歩行時は骨盤を水平に安定させます。中殿筋は筋線維の走行が複雑ですので、場所によって、働きが異なります。

前部線維の働き
  • 大腿に対して、外転、屈曲、内旋させます。
  • 骨盤に対して、前傾、下制します。
中部線維の働き
  • 大腿に対して、外転させます。
  • 骨盤に対して、下制します。
後部線維の働き
  • 大腿に対して、外転、伸展、外旋させます。
  • 骨盤に対して、後傾、下制します。

触り方

腸骨陵と大転子を結んだ線で扇状の筋肉

小臀筋

解剖

  • 【起始部】腸骨の殿筋面
  • 【停止部】大転子の腹側

小殿筋は、中殿筋と同様に、広く薄い筋組織が層状になっています。中殿筋の深部で骨盤外面に付着し、大腿骨の上端まで伸びています。

働き

小殿筋の主な働きは、股関節における大腿の外転・内旋です。歩行時は、中殿筋と同様に、骨盤を水平に安定させます。

触り方

伏臥位で腸骨陵と大転子を結んだラインに中臀筋があるので中臀筋の前縁を押し込んでえぐる様に触るとある

梨状筋

解剖

  • 【起始部】仙骨の骨盤面(S3~4の骨盤仙骨孔の外側および間)
  • 【停止部】大転子の先端腹側表面

梨状筋は、仙骨から大腿方向にほぼ水平(少し下がる程度)に走行しています。

働き

梨状筋の主な働きは、股関節における大腿の外旋です。腰の位置で大腿を60~90度屈曲させると、梨状筋は内旋筋および外転筋として働きます。

触り方

仙骨の外縁(前面)から大転子にかけての筋肉で仙骨側からアプローチをかけると触りやすいです。

特に側臥位だと梨状筋が伸展して触り易くなるため取りやすいです。

 

坐骨神経痛における、しびれや痛みの好発部位とトリガーポイントにおける臀筋群の関連痛領域は似ています。

臀部より下部の坐骨結節からの半腱様筋・大腿二頭筋なども治療ポイントになります。

鍼治療における電通療法なども対象になるのは中小臀筋や梨状筋になる事が多いです。

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